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韓国の医療デザイン案を紹介 川崎医福大で研究大会

多彩な医療デザイン案が紹介された研究大会

 病院内の空間作りをサポートする「認定医療デザイナー」を育成し、患者の療養環境向上や医療業務の効率化を目指す「ホスピタルデザイン研究会」は13日、事務局を置く川崎医療福祉大(倉敷市松島)で研究大会を開いた。韓国の専門家が医療デザイン案を報告し、会員らが見識を深めた。

 韓国・建陽大学校医療工科大医療空間デザイン学科のキム・ジョンシン副教授が講演。グローバル化が進み人や物の往来が活発化する中、感染症に対する韓国国民の予防意識が低い現状に触れ、「空港などに、渡航先での感染症の流行状況を発信したり、その場で予防接種を受けられる拠点を設けてはどうか」と、独自に考案した施設デザインを示した。

 韓国のがん患者の多くが生きている間にしたいこととして家族旅行を挙げたアンケート結果を紹介し、医療機器を完備した特別仕様列車のイメージ案も提示。「コスト面などから現実的でないと指摘されることもあるが、大切なのは世の中のニーズに応えるべく創造と発信を続けること」と述べた。

 研究会の総会もあり「認定医療デザイナー」の検定試験に合格した川崎医福大3、4年の男女16人に認定証を授与。安らげる院内環境の整備や医師が患者らに病状を分かりやすく伝えるためのイラスト作成などに携わる。合格者は通算42人となった。

 研究会は2013年、椿原彰夫・同大学長と県内の医療関係者らで発足。デザイナーの認定をはじめ、研究大会や講演会を定期的に開催し、会員の技能向上に努めている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年02月15日 更新)

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