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伸びかけ歯に優れた幹細胞 岡山大病院・園山助手が発見 ブタで歯根再生成功 人への応用期待

園山亘助手

 岡山大病院補綴(ほてつ)科の園山亘(わたる)助手(35)は二十六日までに、人間の成長途中の親しらずの中に、歯をつくりだす能力に優れた幹細胞があることを突き止めた。歯を失った人に対する再生治療への応用が期待できる成果で、米専門誌に発表した。

 園山助手は、十八~二十歳の十六人から提供された伸びかけの親しらずを詳細に分析。根元部分の軟組織に、さまざまな組織に育つ幹細胞があるのを見つけ、採取に成功した。

 成人の歯髄(神経部分)にも幹細胞があることは知られていたが、比較したところ、分裂が活発で、歯の主体組織である象牙質に成長する能力が優れていた。

 ブタでも同様に、伸びかけの歯の軟組織の幹細胞を採取。あごの骨の中に植え込んだところ、約三カ月で歯根が再生。歯茎より上の部分に差し歯をつけると、歯の機能が回復したという。

 二〇〇四年から〇六年にかけ、留学していた米・南カリフォルニア大で研究した。

 歯を失った場合、歯根の代わりに金属やプラスチックを埋めて治療することが多いが、歯根が再生するとかみ合わせがより自然な感覚になるという。

 園山助手は「歯の再生を実現する第一歩。再生した歯根が長期間、差し歯を支えられるよう、研究を進めていく」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年12月27日 更新)

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