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川崎医福大生が倉敷で卒業制作展 医療・福祉に役立つデザイン発表

福祉施設向けの親しみやすいデザインを提案した岡崎さんの展示ブース

古今の解剖図を対比させた貝原さんの作品

 川崎医療福祉大(倉敷市松島)医療福祉デザイン学科の卒業制作展が1日、同市中央の市立美術館で始まった。「医療、福祉の現場で役に立つデザイン」の観点からアイデアを凝らした作品が並んでいる。6日まで。

 「進め、届け。」をテーマに、4年生13人がそれぞれ取り組んだ研究成果を、作品とともに紹介している。最優秀に輝いた岡崎五月さん(22)は、障害者の生活や就労を支援する真庭市の多機能型サービス事業所のイメージキャラクターとロゴマークを提案。同市湯原地区に生息する国天然記念物・オオサンショウウオから着想を得た親しみやすいデザインで、利用者が作る木工製品などに添え、付加価値アップに一役買っている。

 同じく最優秀の貝原拓磨さん(22)のは「平成解体新書」と題し、江戸時代の解剖書「解体新書」を、現代の医学知識を基に考察。原書の絵と自ら制作した最新の解剖図を臓器ごとに対比させ、昔と今の人体についての考え方の違いや医学の進歩がよく分かる作品となっている。

 ほかにも、かわいいイラストをあしらった子ども向け食育教材、薬の誤飲や飲み忘れを防ぐためのポケット付きタペストリー型カレンダーなどを展示。実用的な中にも大学生らしい意匠や遊び心、センスが感じられ、訪れた人が興味深そうに見入っている。

 卒業後は病院に勤務するという岡崎さんは「現場の人の意見を聞き、試行錯誤しながら作品を完成させた経験は仕事にも役立つと思う。一人一人が一生懸命取り組んだ成果をぜひ見に来てほしい」と呼び掛けている。入場無料。午前9時~午後5時。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年03月01日 更新)

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