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101歳で人工血管手術後も元気 高梁の中西さん、川崎医大で治療

娘や施設の職員と談笑する中西さん(中央)

 101歳で腹部大動脈瘤(りゅう)を治療するため、川崎医科大付属病院(倉敷市松島)で体内に人工血管を埋め込む手術を受けた女性が、術後1年を経て元気に過ごしている。脚の付け根からカテーテルを挿入する「ステントグラフト内挿術」と呼ばれる手術で、開腹の必要がなく、患者の体への負担が少ないのが特徴。同病院によると、同手術は高齢者でも珍しくなくなったが、101歳は岡山県内最高齢、全国でも極めてまれという。

 手術を受けたのは中西幾世子さん(102)。高梁市川上町地頭の老人保健施設「ひだまり苑」で暮らす。2014年12月、経過観察中だった大動脈瘤がいつ破裂してもおかしくない状態と診断され、医師や家族と相談し、手術を決めた。

 同月下旬に入院。心臓血管外科の柚木靖弘医長が、カテーテルを使い、こぶのように膨らんだ血管にばね状の人工血管(ステントグラフト)を埋め込む血管内治療をした。柚木医長によると、加齢などに伴う血管の蛇行が強かったが、約3時間で終えた。

 同手術は2006年、厚生労働省から認可された。柚木医長は「医療技術の発達や元気なお年寄りの増加で、80歳以上での治療も珍しくない。患者を単純に年齢で区切ることはなく、痛みなど症状の有無、本人の意思、全身の状態を見極めて判断する」と説明する。

 大きな手術は初めてだったという中西さんは「手術の翌日はしんどかったけど、すぐ食事もできた」と振り返る。退院後、ひだまり苑に戻り、歌や体操などのレクリエーションを楽しんでいる。自室の窓からは桜が見え「きれいなんじゃ」と笑顔を見せる。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年04月05日 更新)

タグ: 高齢者心臓・血管

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