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CT、MRI画像を遠隔診断 井原市民病院 岡山大医学部と連携 医師不足へ対応

CT、MRI画像などを遠隔診断できるようになった井原市民病院の端末

 医師不足に悩む井原市民病院(井原市井原町)は大容量の「岡山情報ハイウェイ」を活用し、CT(コンピューター断層撮影装置)やMRI(磁気共鳴画像装置)の画像データを、最新鋭の医療機器を備えた岡山画像診断センター(岡山市大供)で放射線専門医が遠隔診断するシステムを構築。岡山大医学部と連携し今月から運用を始めた。

 岡山画像診断センター―井原市役所間が岡山情報ハイウェイで結ばれているのを利用。井原市民病院放射線科の専用サーバーと市役所間を光ファイバーで直結し、CT画像や過去の診断所見などの電子情報を共有できるようにした。

 市民病院が専用サーバーに検査データを入力すれば、画像診断センターの端末で同じ精度の画像を取り出せる。センターにいる、岡山大医学部から派遣された専門医が画面を見ながら所見を書き込むなど情報をやり取りする。患者一人につき数百~数十枚の画像で診断するという。

 市民病院放射線科には常勤医師がおらず、同大医学部から非常勤医師二人が週三回来院して画像診断していたが、四月から非常勤医師が一人となることから約千百万円かけて整備した。今後は一人の非常勤医師による週一回の診断と週三回の遠隔診断を実施。週約百症例のうち、約七十症例を遠隔診断する。

 井原市民病院は「遠隔診断によって医師の負担も減らしながら、患者にとっては従来通りの診断レベルを維持することができる」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年04月04日 更新)

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