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県内で若い世代の献血離れ進む 県赤十字センターが学生啓発強化

若年層の献血協力者を増やそうと施策を展開する県赤十字血液センター

 岡山県内で若い世代の献血が減っている。県赤十字血液センター(岡山市北区いずみ町)によると、2015年度まで30代が5年連続、20代が2年連続で減り、増加傾向だった10代も同年度に減少に転じた。急速に少子高齢化が進む中、献血を支える若い世代の確保は一層重要となるだけに、同センターは近隣に大学が点在する好立地を生かし、学生への啓発を強化する。

 15年度の献血者を年代別にみると、30代1万4841人(前年度比2480人減)▽20代1万3178人(同2436人減)▽10代4474人(同933人減)。前年度より微増した50代以上(2万3413人)、減少幅の小さかった40代(2万2688人)に比べ、落ち込みが大きかった。

 「過去5年間でみても、献血を支えているのは40代と50代以上の人たち」と同センターは分析する。

 10年前の05年度と比較すると、40代と50代以上は各4千人以上増えた。一方で20代、30代は8千人以上も大幅に減少した。10代は2万3千人を超え、ピークだった1986年度からは減少傾向に。2011年度に3156人となって以降、3年連続で増加したが、昨年度は再び減少を示した。若い世代をどう確保するかが課題と言えそうだ。

 そこで、同センターは半径3キロ以内に岡山大、ノートルダム清心女子大、岡山理科大、就実大、岡山商科大の5大学と専門学校も多くある立地に着目。昨年から献血を希望する学生をキャンパスからセンターに送迎するワゴン車を運行している。

 さらに、センターにある献血ルーム「うらら」を知ってもらうため、施設内の部屋を大学のサークルなどを対象に無償で貸し出すサービスもスタートした。

 高校生への啓発にも力を入れており、献血の重要性を説明する出前講座を積極的に開催していく方針だ。

 同センター献血課の櫻井聡課長は「患者に輸血できなくなる事態を防ぐには、若い世代の協力が不可欠。年に複数回の協力を含め、献血率を高めたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年06月08日 更新)

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