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糖尿病などで潰瘍 ウジ使った治療手引書  岡山大・三井医師が翻訳、出版

三井医師が出版したハンドブック

 糖尿病などで足の血流が悪くなり、皮膚が悪化してできた潰瘍(かいよう)をマゴット(ウジ)に食べさせ洗浄する治療法を研究している岡山大医学部心臓血管外科助手の三井秀也医師(51)が、海外の研究者が書いたウジを使った治療法のハンドブックを日本語訳し、出版した。

 潰瘍に抗生物質を使うと耐性菌ができて直りにくく、足を切断する場合も多い。ドイツで二〇〇四年、初めて出版されたものを大阪市立大大学院理学研究科の沼田英治教授と共同で翻訳した。

 ハンドブックでは、治療法の歴史や注意点のほか、糖尿病や床擦れによって潰瘍ができた患者にウジを用いた経過を写真を交えて紹介している。

 三井医師は「ウジ治療のできる医療機関は国内で二十カ所程度。医師に理解を深めてもらい、年間一万人に上る潰瘍による下肢切断患者を助けたい」としている。

 A5判、九十七ページ、税込み二千七百三十円。一千部出版。購入希望者はジャパンマゴットカンパニー(086―286―9320)に申し込む。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年04月12日 更新)

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