文字 

県内梅毒患者、3年連続20人超 県が早期検査呼び掛け

 性感染症「梅毒」の今年の岡山県内患者数は、8月末現在で24人(男17人、女7人)に上り、ここ10年で最も多かった昨年の25人(同22人、同3人)に早くも迫った。初期症状に気づきにくく治療が遅れる恐れもあり、県は早期に検査を受けるよう呼び掛けている。

 梅毒の県内患者はここ10年で見ると、10人未満で推移してきたが、2014年に21人に急増してから3年連続で20人を突破。全国的にも14年1661人、15年2697人で、他の性感染症に比べ突出して増えている。

 8月末までの県内の患者の年齢は20代8人、30代6人、40代6人と20~40代が8割超を占める。感染経路は22人が性交渉、残り2人が不明となっている。

 感染拡大の理由は不明だが、発見・治療の遅れが指摘される。梅毒の初期症状は感染後3週間で陰部などにしこりができるものの、いったん症状が消え、3カ月以上経過してから体全体に発疹が出るなどする。

 「昔の病気というイメージもあり、患者自身が気づきにくく、その間に別の人に感染を広げている恐れがある」と日本性感染症学会理事の岸本寿男・県環境保健センター所長は推測する。

 初期段階で抗生剤を投与すれば完治するが、放置すれば心臓や血管、脳など複数の臓器に病変が生じ、場合によっては死亡に至ることもある。

 県ではホームページに県内各保健所・支所での検査日時を掲載しており、県健康推進課は「思い当たることがあれば、すぐに検査を受けてほしい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年09月04日 更新)

タグ: 感染症

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ