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認知症のお年寄り理解し支援を 倉敷・真備でキッズ教室スタート

寸劇を通して認知症の人への接し方を学ぶ川辺小4年生

 倉敷市は、市内の小学校で児童対象の「認知症サポーターキッズ教室」を始めた。認知症を正しく理解し、患者とその家族に接する小学生を育てる。市が毎年夏に開催している養成講座を小学校に出向いて開く“出張版”で、2016年度は真備町地区でモデル実施。初回を21日に川辺小(同市真備町川辺)で開いた。

 同小4年生53人が総合学習の一環で受講。市の保健師が講師を務め、認知症について「新しいことを覚えるのが難しく、場所や人、時間が分からなくなる。認知症の人は、不安や心配を抱えて過ごしていることを分かってほしい」と訴えた。

 認知症の人への接し方を考えるため、市職員らも交えて計4人で寸劇も披露。道に迷っている認知症の高齢者に、子どもたちが矢継ぎ早に話し掛けたため、かえって混乱させてしまう内容。児童は「お年寄りは不安だろうから、もっと優しく話をした方がいい」「言葉で道を教えるより、近くの交番まで一緒に行くべきだった」などと意見発表した。

 受講した児童には、市からサポーターの証しである「オレンジリング」が贈られた。女子児童(10)は「困っている人を見たら私たちで助けたい」と話していた。

 今後、真備町地区の薗小、岡田小でも開く予定。

 市は、認知症の高齢者を支える存在として、大人だけでなく、高齢者にとって親しみが持てる子どもの役割を重視。5年前から小学生を対象に参加者を募り、ライフパーク倉敷(同市福田町古新田)で養成講座を開いている。これまでに132人を認定しているが、市内全域で増やすために“出張講座”を企画。高齢化率の高い真備町地区を皮切りとし、他地区への拡大を検討する。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年09月21日 更新)

タグ: 高齢者

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