文字 

先人の功績伝える「敬愛館」 旭川荘内に15日オープン

旭川荘の発展に貢献した先人の功績を紹介する「敬愛館」

 社会福祉法人・旭川荘(岡山市北区祇園)の名誉理事長・江草安彦さんら法人の発展に寄与した故人3人を顕彰する「敬愛館」が15日、旭川荘内にオープンする。施設運営や医療と福祉の融合に尽力した功績を振り返る展示などで、障害者福祉の向上に生涯をささげた先人の思いを伝え、学びの場として活用してもらう。

 旭川荘は1956年、川崎病院理事長だった川崎祐宣さんが創設し、初代理事長に就任。小児科医として障害児と家族の支援を目指した江草さんが知的障害児施設・旭川学園長、身体の不自由な子どもの医療に心を砕いた整形外科医の堀川龍一さんが肢体不自由児施設・旭川療育園長として礎を築いた。数々の功労をたたえるため、敬愛館は、本部事務局棟東の建物(鉄骨3階)の2、3階部分(延べ318平方メートル)を改装して設けた。

 2階は「江草安彦記念室」として、江草さんの歩みを写真パネルや資料で紹介。岡山医科大付属医学専門部(現岡山大医学部)の学生時代のノートや実際の健診に使った聴診器、愛用した万年筆なども並ぶ。机や書棚を配置した執務室も保存されている。

 3階は「先人顕彰室」で、乳幼児から高齢者まで幅広く障害者を支えた3人の足跡を写真や年表などで解説。江草さんの蔵書約5千冊を閲覧できる「江草文庫」と合わせ、研修スペースとして利用もできる。

 「敬愛館」と筆書きされた建物入り口の銘板は、3人と親交が深く、中四国初の重症心身障害児施設・旭川児童院の開設に協力した黒住教(岡山市)の黒住宗晴教主が揮毫(きごう)した。

 敬愛館の開設を進めた板野美佐子参与は「先人の思いや歴史を振り返るだけでなく、貴重な資料を生かし、学びを深めてほしい」と話している。

 15日は午前10時半からしゅん工式があり、関係者がテープカットして完成を祝う。開館は平日午前9時~午後4時半。入館無料。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年11月12日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ