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がん看護の専門家を 初の実務研修開始 岡山大病院で県内17人参加

開講式で、がんについての知識を学ぶ決意をあらたにする受講生ら

 がん患者の看護ケア充実を図るため、専門性の高い看護師育成を目指す「岡山県がん看護に関するエキスパートナース育成実務研修会」が9日、岡山市鹿田町の岡山大病院で始まった。国から委託を受け、県では初の取り組み。県内15病院の看護師17人が11月22日まで同病院で講義や臨床研修を重ね、最新のがん看護の知識や技術を学ぶ。

 同病院であった開講式で、受講生代表の足立妙子さん(35)=津山市=が「がん医療・看護の知識を習得し、質の高い看護技術を実践します」と決意を述べた。式後、早速、がん医療の最近の動向について講義を受けた。

 受講生は同病院で、がんの基礎知識や治療法などを学んだ後、実際に患者を受け持ちながら研修。症状を分析し、いかに苦痛を和らげるかを考え、適切な治療計画を立てる訓練を積む。

 がんは日本人の死因として最も多く、昨年の死者は約三十二万人。同研修会は、昨年始まった国の「専門分野(がん・糖尿病)における質の高い看護師育成事業」の一環で、各都道府県が独自に取り組んでいる。

 国はがん医療の充実を重要課題に掲げ、今年四月には全国どこでも質の高い治療を受けられる体制づくりを目指すがん対策基本法が施行された。県内でも、高水準の医療をどこでも患者が受けられる体制づくりを目指す「中国・四国がんコンソーシアム」が発足。岡山大を中心に八大学と二十六の「がん診療連携拠点病院」が参加し、薬物療法や緩和医療などに詳しい医師や専門知識を持つ薬剤師らの養成を進める。

 また同拠点病院に指定されている岡山赤十字病院(岡山市青江)も九月、専従スタッフを配置した「相談支援センター」を院内に開設。患者や家族の悩みを受け付けている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年10月10日 更新)

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