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岡山県社協などDWAT発足へ 18年度、チームで被災者支援

 岡山県社会福祉協議会、県社会福祉法人経営者協議会などは、災害時の避難所などで高齢者や障害者らを福祉面でサポートする県組織「災害派遣福祉チーム(DWAT(ディーワット))」の設立準備を進めている。2018年度当初の発足を目指しており、社会福祉士、介護福祉士らメンバーとなる専門職の募集を近く始める。

 DWATは、大規模災害の発生直後に医師、看護師らが現場に駆け付ける災害派遣医療チーム(DMAT(ディーマット))の「福祉版」。避難所生活での体調変化などに素早く対応するのが狙いで、2011年の東日本大震災以降、全国で結成の動きが広がっている。県社協によると、中四国では島根県に次いで2例目となる見通しという。

 発生から1年が経過した熊本地震では、体の不自由なお年寄りらを対象にした「福祉避難所」が十分に機能せず、福祉の専門家の人手も不足した。こうした教訓を踏まえ、県社協など4団体がDWAT設立へ向けて、昨年4月から組織の枠組みや協力態勢について検討してきた。

 計画では、被災市町村の派遣要請を受けた県の指示で5、6人のメンバーを選定し、避難所などに派遣する。チームは支援を必要とする人の有無や体調を把握するとともに、ケアを受けられる福祉避難所や福祉施設へ取り次ぐのが主な役割となる。先進地では、県外にチームを派遣する例もあるが、当面は県内のみで活動する方針。

 登録する専門職は社会福祉士や介護福祉士、介護支援専門員、理学療法士、保育士など。今月下旬に募集を開始し、秋ごろから災害を想定した実践的な訓練や講演などの研修を行う予定。県社協は「高齢化が進む中、震災時の福祉的なケアの重要性は高まっている。平時から準備を整えることが重要」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年04月17日 更新)

タグ: 福祉

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