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解説 性同一性障害 学校現場での態勢づくりを 

 岡山県内の公立小・中・高校で、性同一性障害に理解を深める具体的な取り組みはほとんどない。いじめなどの深刻さは十分認知されておらず、他の人権問題と比べて見過ごされているのが現状だ。

 県教委が今年一月に策定した「県人権教育推進プラン」では、性同一性障害を「性的少数者」とし、外部の専門家を含めた支援体制作りや性教育で扱うことなどを目標に掲げている。

 だが、学習指導要領には同障害に関する記述はなく、保健体育などの教科書にも触れられていない。「指導要領にないので、授業で取り上げることもしていない」と県教委保健体育課。

 県教委人権・同和教育課によると、同障害への対応に関する学校からの問い合わせは過去五年でわずか二件。古矢道弘課長は「いじめなどを受けない環境づくりに努めたい」とするが、岡山大の調査をみれば、実態を十分に把握しているのか疑問も残る。

 調査を担当した同大大学院の中塚幹也教授は「子どもたちの悩みにまず気づいてあげられる学校の教師が正しい知識を持ってほしい」という。深刻な事態に至る前に対応ができるよう、態勢づくりが急がれる。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年12月09日 更新)

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