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難治てんかん簡単判定 岡山大グループ考案 症状など点数化

 発熱時のけいれんが特徴で早期診断が難しい難治性の「乳児重症ミオクロニーてんかん」について、症状などを点数化することで簡単に判定する方法を、岡山大大学院の大守伊織助教(細胞生理学)と大内田守准教授(分子遺伝学)らのグループが考案した。

 てんかんに関する国際的学術誌エピレプシアの昨年十二月号(電子版)で発表した。

 発熱時のけいれんは、治療を必要とせず六歳ごろまでに治る良性が大半。三万―四万人に一人の割合で起きる同てんかんは、発症初期の段階では症状が良性と見分けがつかないため、早い段階での診断は難しく、診断が遅れた場合、けいれんが繰り返されて脳が損傷するため、早期に判定し重症化を防ぐことが求められている。

 グループは、同てんかん四十六人と良性五十人の計九十六人を対象に、症状や遺伝子を分析。その結果、一歳までのけいれんが五回以上▽十分以上続いたことがある▽入浴時にも起きた▽特定の遺伝子に変異がある―などの九項目で点数(三―零点)を付け、合計(十七点)が七点以上であれば同てんかんと考えられるとした。

 この方法で、九十六人を再調査すると、98%の高確率で同てんかんの患者を割り出せた。

 大守助教らは「判定はてんかん専門医の経験に頼っているのが現状。この方法だと専門医でなくても一歳までに診断ができるだろう」と話している。



早い段階で診断

 国立病院機構静岡てんかん・神経医療センターの藤原建樹院長の話 現状では、乳児重症ミオクロニーてんかんの診断を行うには、症状が出そろう四歳ごろまで経過を見なければならない。今回の判定法は、患者に負担をかけず簡単に早い段階で診断できるのがポイント。国際的にもインパクトが大きい成果だ。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年01月25日 更新)

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