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岡山大病院派遣の外科医引き揚げ 市立備前病院 他の緊急手術も困難に

 東備地域の中核病院である備前市伊部、市立備前病院に岡山大病院(岡山市鹿田町)が派遣している常勤外科医師三人全員が、三月末でいなくなることが十二日、分かった。三医師は外科以外にも脳神経外科手術の全身麻酔など一手に担ってきたため、同病院で緊急手術ができなくなる恐れも出ている。

 同病院によると、市内では備前、吉永、日生の市立三病院が救急医療に対応。このうち年間約五百件と最多を占める備前病院の外科医が不在となれば、市内の救急医療全体への影響も懸念される。

 同病院の説明では、外科手術が年間約四十例と同大が求める症例数(百例)の半数に満たない上、手術に立ち会う常勤の麻酔医がいないことが、引き揚げの最大の理由。岡山大病院によると、三医師は他の勤務地に変更させるという。

 備前病院は外来だけでも維持できるよう、医師一人を隔日で派遣してもらうことを岡山大病院に要望している。

 藤田保男院長は「地理的に岡山市に近いため、岡山市の大規模病院での手術を希望する患者が多く、実績が上がらない。外科医がいなくなり軽い手術でも受けられない状況になると、患者へのしわ寄せが心配」と話している。

 備前病院は一般病床百床を有する備前市最大の病院。内科、外科、整形外科、脳神経外科、婦人科、皮膚科など十四の診療科がある。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年02月13日 更新)

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