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はしかの流行防げ 岡山県内の大学など対策会議 昨年の猛威で全学休講も 抗体検査や注意喚起

岡山商科大で開かれた麻疹感染防止対策会議。感染・流行を防ごうと県内の各大学などが対策を急いでいる

 昨年春から夏にかけて若者を中心に麻疹(ましん)(はしか)が大流行したのを受け、岡山県内の大学などが警戒を強めている。各校は在学生に抗体検査を行ったり、入学予定者に注意喚起の文書を送付。昨年休講に追い込まれた大学では対策会議を開くなど、はしかの感染・流行を防ごうと躍起になっている。

 「昨年のような事態が起きないよう万全の態勢で臨みたい」。岡山商科大(岡山市津島京町)で二十一日開かれた麻疹感染防止対策会議。井上倫明教学部長ら各部署の担当者が、学生への予防接種の要請や学内掲示板での注意喚起など今後の予防措置を確認した。

 はしかは昨年春以降、単独ワクチンの一回接種世代である十―二十代を中心に流行。全国の高校や大学で猛威を振るい、同大では在学生二人が感染、五月末から九日間の全学休講に追い込まれた。

 厚生労働省は今年四月から五年間の措置として、ワクチン一回接種世代に対して中学一年時と高校三年時に予防接種をさせることを決定。現在の高校三年生以上はこの対象から外れており、各大学などが対応を急いでいる。

 岡山大(同市津島中)は二十―二十二日、津島キャンパスで在学生と教職員を対象に任意で抗体検査を実施。文学部四年の女子学生(21)は「過去の予防接種では不安だったので検査を受けた。社会人になって感染すると周りにも迷惑になるので、免疫が低かったら予防接種を受けたい」と話す。

 昨年五―六月に一時休校した岡山情報ビジネス学院(同市駅元町)は、四月のオリエンテーションで新入生に予防接種を呼び掛ける。在学生の大半は既に対応を終えているが、「感染が疑われる学生には直ちに出席停止措置を取るなど迅速に対応したい」とする。

 くらしき作陽大(倉敷市玉島長尾)は入学予定者に、はしかの罹患(りかん)歴や予防接種の有無を尋ねるアンケートを送った。中国学園大・中国短大(岡山市庭瀬)は四月の定期健康診断にあわせ、新入生の希望者に抗体検査を実施。県立大(総社市窪木)は教育実習や看護実習などを控えた学生に予防接種を勧めたり、入学予定者に文書で注意喚起する予定。

 全国では早くも神奈川県や北海道などではしかの流行が確認されており、国立感染症研究所は「昨年と同様、学生が学校に通い始める春以降に全国で流行する可能性が高い」と警戒。各大学とも今後の動向を注視しつつ予防措置に全力を注ぐ構えだ。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年02月23日 更新)

タグ: 健康感染症

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