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冬虫夏草キシリトールががん抑制 カイタックが岡山大と共同研究

キシリトールががん細胞の増殖抑制に作用していることが分かった冬虫夏草

 キノコの一種「冬虫夏草」の健康食品を手掛ける繊維製品総合卸・カイタック(岡山市北区昭和町)は、岡山大との共同研究で、冬虫夏草に含まれるキシリトールが、がん細胞の増殖抑制に作用していることを突き止めた。

 冬虫夏草の含有成分では、コルジセピンががん細胞の増殖を抑えることで知られているが、純粋なコルジセピンより冬虫夏草の方が増殖抑制効果が大きいことに着目。他にも影響している物質があるとみて、同大大学院医歯薬学総合研究科の阪口政清独立准教授(細胞生物学)とともに研究した。

 冬虫夏草の成分のうち、コルジセピンとキシリトールを混ぜた液体にがん細胞を注入すると、純粋なコルジセピンに比べ、がん細胞が死滅する割合が3倍になることが分かった。正常細胞には影響しなかった。

 阪口独立准教授は「抗腫瘍効果のメカニズムを分子レベルで解明できれば、副作用の少ない抗がん剤の開発も期待できる」と話している。

 カイタックは、冬虫夏草の一つであるサナギタケを人工栽培する日本シルクバイオ研究所(神戸市)に出資。粉末とドリンクをインターネットのほか、医療機関(自由診療)向けに販売している。カイタックは「がん細胞をはじめ、さまざまな疾患への効果を検証しながら、事業を拡大していきたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年09月21日 更新)

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