文字 

脳卒中科を新設 岡山赤十字病院 窓口の一元化 新薬・tPA、超音波装置も

血管の状態を調べる超音波装置を操作する井上・脳卒中科部長

 日本人の死因でがん、心臓病に次いで三番目に多い脳卒中。命を救うには、最適な治療をいかに早く行うかが重要となる。岡山赤十字病院(岡山市青江)が今月から、岡山市内の医療機関で初の脳卒中科を新設、診療をスタートさせている。

 脳卒中は、主に脳内の血管が破れたり詰まったりすることで、酸素や栄養分が行き届かなくなる脳血管障害のこと。

 脳の血管が詰まる脳梗塞(こうそく)、脳の表面を走る動脈にこぶができて破れるくも膜下出血、深部で出血する脳出血に分かれる。命にかかわるケースもあり、迅速な処置が必要だ。

 同病院が新設した脳卒中科は、常勤の専門医二人で構成する。

 従来は複数科に分かれていた脳疾患治療の窓口を脳卒中科に一元化。患者が救急車で搬送されたり、外来を受診すると、まず同科が診察し、症状に応じて脳神経外科、神経内科、リハビリテーション科と連携をとって処置する。

 治療面では、血管に詰まった血栓を溶かす新薬で、二〇〇五年に保険適用になった「tPA」を積極的に活用。脳卒中のうち約六割を占める脳梗塞に適応でき、発症から三時間以内に使用すれば効果が見込める。このほかにも、血管の状態を調べる超音波装置も新たに導入した。

 井上剛・脳卒中科部長は「急性期から回復期まで、各科が一体となって取り組む体制が整った。高齢化により患者は増えると予想されるので、専門的で高度な医療を提供したい」と話している。同科の外来は毎週月、木曜日午前八時半―十一時半。問い合わせは同病院(086―222―8811)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年04月19日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ