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はしか感染者増加 4割が高校、大学世代 岡山県 ワクチン再接種呼び掛け

県内の麻疹発生状況(グラフ)

 麻疹(ましん)(はしか)の流行期(4―6月)を迎え、岡山県内でも感染者が増加している。今月5日から11日にかけての週別報告では21人と、前週の4倍以上に。今年の感染者のうち、ワクチン接種が1回だけだった高校、大学世代(15―19歳)が4割強を占めており、県は流行防止へ早めの再接種を呼び掛けている。

 県内の保健所からの週別報告では、今年の感染者は十一日現在(暫定値)で七十六人。一月下旬に今年初の患者(一人)が発生、三月中旬から下旬にかけ週当たり十人前後の感染があり、以後今月四日まで毎週三―七人が報告されていた。

 三月には岡山市の高校で生徒二人が感染し、在籍していたクラスを学級閉鎖。四月には同市の大学で学生一人の感染が分かり、罹患(りかん)歴が不明な学生二百四人を出校停止とした。五月七日には倉敷市の高校で十二人の集団感染が発生し、学校閉鎖となっている。

 はしかワクチンは接種後に免疫力が次第に低下し、効果が薄れることが問題化。このため、従来は満一歳―七歳半の間に一回とされていた接種を二〇〇六年六月から一歳児で一回目、小学校入学の前年で二回目を接種するよう制度変更した。

 ところが昨年、接種が一回だった十―二十代を中心に、全国ではしかが流行。県内でも五、六月、岡山市内を中心に大学や高校、専門学校で学校閉鎖が相次いだ。このため、国は一二年度までに国内での流行をゼロに抑えることを目標に、今年四月から五年間の時限措置で、中学一年、高校三年時での追加接種を原則無料で実施している。

 県内の大学でも、岡山大(岡山市津島中)が学生や教職員を対象に任意で抗体検査を実施したり、くらしき作陽大(倉敷市玉島長尾)が罹患歴や予防接種の有無を尋ねるアンケートをするなど、独自の予防策に取り組んでいる。

 はしかはワクチンで予防できるが、免疫がなければほぼ百パーセント感染する。県健康対策課は「中高生や大学生が感染すれば、学業や部活動にも影響が出る。早めのワクチン接種を心掛けてほしい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年05月21日 更新)

タグ: 健康子供感染症

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