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乳がんセンター開設 岡山大が大学病院初 診療科の壁越え連携 1日で切除→再建手術

木股敬裕教授

土井原博義センター長

 岡山大病院(岡山市鹿田町)は、乳がんによる乳房の切除から、失った胸の膨らみを作り直す再建手術まで一貫して治療する「乳がん治療・再建センター」を国内の大学病院で初めて開設した。専門医や看護師らが診療科の壁を越えて連携し、質の高い医療を提供する狙い。26日、第1例の手術を行う。

 岡山大病院乳腺・内分泌外科(土井原博義科長)と形成外科(木股敬裕教授)の医師や看護師ら九人で構成。十二日、診療棟二階の外科外来内に設置した。

 乳がんの手術は、病状が進行した乳房を全部切除する方法と、がんがある部分だけ切除した後、放射線療法を行う乳房温存療法の二通りがある。全部切除した場合、乳房、胸壁での再発の危険性は低くなるが、美容面で課題があり、再建手術を希望する患者が多い。

 センターでは定期的に合同会議を開き患者情報を共有。国内で数施設しか行っていない高度な乳房再建術を手掛ける形成外科は、会議を通じて乳腺・内分泌外科が切除する乳房や皮膚の量を詳細に把握。作り直す乳房のデザインが明確になり、患者の満足度が高い手術を実施できる。乳腺・内分泌外科も再発リスクの低い切除を勧めやすくなるという。

 切除、再建手術を一日で済ませるため、入院日数も短縮できるなど、患者の負担は従来より軽くなる。

 センター長を務める土井原科長は「他の医療機関で乳房を切除したものの、再建できずに困っている患者も広く受け入れる。新たな乳がん診療のモデルを確立し、中四国の拠点病院を目指したい」と話している。

 問い合わせは、月、水、金曜の午後二時―四時に同センター(086―235―6978)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年05月25日 更新)

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