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乳がん受診率アップの方策は 日本乳癌がん学会・園尾博司理事長 女性自ら意識改革を

園尾博司理事長

 全国の乳がん患者は年間で約4万人に上り、死者も1万人を超えるなど、現状は深刻さを増している。「検診の受診率アップと早期発見を最優先に取り組みたい」。10月から学会理事長として2期目に入り、乳がん撲滅に向けて決意を新たにする。

 自治体の乳がん検診で、国の指針は40歳以上は2年に1回の視触診とマンモグラフィー(乳房エックス線撮影)の併用検診を勧める。これに対し、県内市町村の多くは県の指針を踏まえ、40歳以上は年1回の併用検診を行っており、「枠組み自体は国よりも進んでいる」と説明する。

 ただ、県内全体の受診率は2006年度が9・3%と、全国平均の18・6%を大きく下回る。算定方法が変わるなどしたためだが、岡山、倉敷市など都市部を中心に伸び悩んでいるのが実情だ。

 現状を打開するため、町村レベルで検診の普及に効果を発揮している愛育委員に期待を寄せる。「都市部でも愛育委員がコミュニケーションを強化し、地域に乳がん検診の大切さを啓発する一層の努力が必要」と話す。

 女性の意識改革も欠かせない。「がんを早期発見できれば治療も軽くて済む。進行がんは多額の費用がかかり、結果として命を失うことも多い。自分の体や家族のことを思うのであれば、早期発見に目を向け、マンモ検診を受診してほしい」

 1972年、山口大医学部卒。徳島大医学部第二外科講師、川崎医科大助教授などを経て、96年から同大教授。「心の通う診療」がモットー。60歳。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年10月22日 更新)

タグ: 女性

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