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歯周組織成長に関与の2タンパク質特定 岡山大大学院の平田助教ら

平田あずみ助教

 岡山大大学院の平田あずみ助教(口腔(こうくう)組織学)らは、歯を支える歯周組織の1つであるセメント質をつくる細胞の成長に、2種類のタンパク質が重要な役割を果たしていることを突き止め、細胞組織化学分野の米学術誌(電子版)の1月号で発表した。歯周組織の再生や治療への応用が期待される。

 平田助教らは、骨組織とセメント質の化学組成が似ていることなどに着目。骨組織をつくる骨芽細胞の成長に欠かせない「ランクス2」と「オステリックス」というタンパク質が、セメント質の形成にどう関与しているかを調べた。

 ラットの下あごの臼歯の断面を蛍光染色して顕微鏡で観察すると、歯根表層の細胞にこれらのタンパク質が存在していた。さらに詳しく調べたところ、主要なセメント質の成分である「オステオポンティン」が確認された。

 セメント質は、セメント芽細胞と呼ばれる細胞の働きによって形成されることが知られている。

 これらの結果から平田助教らは、セメント芽細胞はランクス2とオステリックスの働きによってできたと結論付けた。

 平田助教は「歯が生える際にもこれらのタンパク質が何らかの役割を果たしている可能性がある。今後、動物実験でさらに機能を調べ、歯周病をはじめとする疾患治療への応用の可能性を探りたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年01月28日 更新)

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