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高松・受精卵取り違え医師 20件以上複数移植 患者に倫理規定示さず

 香川県立中央病院(高松市)の受精卵取り違えで、川田清弥医師(61)が、「受精卵の移植は原則1個」とする日本産科婦人科学会の倫理規定が定められた2008年4月以後に手掛けた計83件の体外受精のうち、20件以上で倫理規定を逸脱していたことが24日、分かった。

 人工中絶した20代女性に体外受精を行う際も、倫理規定の存在を伝えていなかったことが判明。川田医師のインフォームドコンセント(十分な説明と同意)に対する意識が問われそうだ。

 この女性以外の患者の体外受精の際も同様に倫理規定を告げていなかった可能性があり、病院が詳細を調査している。

 また、20代女性の妊娠が確認された後の同年11月ごろにも、倫理規定を逸脱した体外受精を2件行った。

 同病院によると、川田医師は「倫理規定に抵触するのは知っていたが妊娠率を高めたかった。多胎妊娠の可能性は低いと考えていた」と話しているという。

 松本祐蔵院長は「日本産科婦人科学会の意向を尊重しない結果となり反省している。川田医師の治療において十分な管理ができず申し訳ない」とのコメントを発表した。

 川田医師は20代女性に2回に分けて計3個の受精卵を子宮に移植。本人のもの2個を移植し、その後別夫婦のものと思われる1個を移植した。女性の妊娠は別夫婦のものによると判断し、その後、女性は人工中絶した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年02月25日 更新)

タグ: 女性

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