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第2回 岡山済生会総合病院 大腸がん 赤在義浩外科診療部長 吉岡正雄内科医長 肛門温存率が77%に

吉岡医長

大腸がん手術が1000例の赤在診療部長

 大腸がんは内科医が内視鏡検査をし、疑わしい細胞を採取して病理検査で確定診断する。がんが表面にあれば内視鏡切除、深く浸潤していれば手術切除になる。

 吉岡医長は十三年間で約三千例の大腸内視鏡検査をしている。肛門から入れて約八十センチ先の盲腸付近へ到達させ、肛門側へ引きながら目を凝らす。ポリープは大腸壁に隆起し、がんになる可能性があり、五ミリ以上は積極的に除去する。凹凸や色の変化した部位はがんを疑う。この一年で六十五例のがん病巣を内視鏡切除し、経過観察した結果、すべて 腫瘍 ( しゅよう ) の残存はなかった。

 赤在診療部長は十五年間で大腸がん手術は千例に及ぶ。この一年では約二百三十例(結腸約百四十例、直腸約九十例)。このうち 腹腔 ( ふくくう ) 鏡手術は二十八例。五年生存率はステージ1が98%、2が89%、3が77%。下部直腸および肛門管がんの切除は三年間で六十九例。「この一年では肛門を残す温存率が77%になった」と成果を話す。

 大腸切除すると約二割に腸 閉塞 ( へいそく ) を起こすケースがある。「後腹膜を温存し、リンパ節を郭清(切除)して丁寧に再建すると1%台に減少した」。全国的にも高い治癒率に加え、患者の生活を考えた手術が身上。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年01月29日 更新)

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