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第2回 岡山済生会総合病院 胃がん 石山修平内科医長 高畑隆臣外科医長 腹腔鏡手術が増える

石山医長

高畑医長

 石山医長は胃内視鏡の検査と粘膜内の早期がんを治療する。胃表面の粘膜にあり、二センチ以下でリンパ節転移がないがんは内視鏡で切除。二センチ以上でも粘膜内で一括切除できるがんは内視鏡ではく離するESD治療。石山医長はESDを年間百例近く行う。治療時間は平均九十分間、短い場合は十五分間。最大十センチほどを一括切除した例もある。入院は一週間。

 「内視鏡の進歩で早期がんの発見が進み、全体で早期は六割を超え、治癒率も大幅に良くなった。当院の治癒切除率はガイドライン病変(リンパ節転移の可能性がほとんどなく、腫瘍が一括切除できる大きさと部位にあること)では98%」と言う。

 深く浸潤したり転移していると開腹手術をする。年間百六十例前後。高畑医長は消化器手術歴が十二年、四十代の働き盛り。手術時間は胃の出口の幽門切除三―四時間半、胃全部摘出は四時間半―五時間。入院は十―二十日間。

 岡山県内の医院からの紹介が多く、難しい症例が集まる。「五年生存率はステージ1で98・6%、2で83%、3で42・9%。早期がんを中心に治癒率は上がったが、進行がんは厳しいケースもある」と言う。

 最近は痛みが少なく、在院日数が短い腹腔鏡手術が増え、術後補助化学療法も行い、治癒率のさらなる向上を目指す。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年01月29日 更新)

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