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第11回 松田病院 がん性疼痛治療 岩木俊男・麻酔科医長 麻酔と痛み緩和に力

手術麻酔に取り組む岩木医長

 年間の麻酔手術七百例をほぼ一人で担当している。このうち全身麻酔は三百五十例。「私の大きな仕事は手術の麻酔、集中治療室の重症患者の管理と痛みを和らげるペインクリニックの三つ。がん手術が多い病院ですので、がん性 疼痛 ( とうつう ) には力を入れています」

 手術中の麻酔では、がん病巣を切り取る肝臓切除術の場合は出血が多い。しかし、輸血、輸液が多すぎると肺うっ血し、体に水がたまる。少なすぎると術後、尿量が減少する。輸血、輸液の繊細なコントロールが大事。「手術後の痛みを少なくし、呼吸機能の早期回復を図り、血圧、脈拍など循環の管理に注意を払う」と言う。

 ペインクリニックでは、がん性疼痛はモルヒネなど麻薬の投与とブロック療法。腰痛など急性痛はブロック療法と内服。ブロック療法は、どこが痛むか症状の把握と画像診断で痛みの原因となっている神経を探り出し、そこへ針を刺し、鎮痛剤を注入する。「手技の巧拙で効果の違いがすぐ分かるので、経験とセンスが必要ですね」
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年04月22日 更新)

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