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第17回 万成病院 ひまわりサロン 講座や演奏会 地域との懸け橋に

うらじゃ踊りのグループと交流したひまわりサロン

 精神障害者が地域で暮らすには、住民の理解が欠かせない。現在十四人が生活する社会復帰施設「ひまわり寮」は地域と病院の懸け橋を目指し、二〇〇三年五月からほぼ毎月、「ひまわりサロン」を開催。これまでに五十回を重ね、参加者は延べ約二千人を数える。

 元アナウンサーの田淵泰子施設長が入所者対象に話し方講座を開いたのが始まり。一年後に地元町内会の役員を招待、徐々に参加者の輪が広がった。

 IT(情報技術)講座や吹奏楽コンサート、料理教室、踊りなども外部から講師を招いて開催。精神障害者と普段かかわりのない人たちに理解を深めてもらっている。

 「最初は講師の人に『(入所者に)殴られたら責任もってもらえますか?』と言われたこともあった」と田淵施設長。「実際に交流すると、そういう見方が変化する。偏見のある人ほどその落差は大きいです」と話す。

 三年前からは町内会の廃品回収や溝そうじにも参加。住民と共に汗を流し、感謝されることで入所者が自信を持ち、地域で暮らすことへの安心感にもつながるという。

 当初からサロンに協力している谷万成町内会の小泉昌子副会長は「近くのスーパーで会った時に声をかけてお互いにっこり笑う。以前ならできなかっただろうけど、交流の積み重ねで、いい関係ができています」と話す。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年06月03日 更新)

タグ: 精神疾患万成病院

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