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「始まるワクチン接種」打った後は 基本的な感染対策継続を

 新型コロナウイルスワクチンの接種によって、「ようやく流行前の生活に戻れる」と期待を膨らませる人は多いだろう。

 実際、米疾病対策センター(CDC)は、ワクチンを2回打って2週間以上経過した人同士なら、マスクを着けず、相手との距離も気にせずに交流できるとする行動の手引を発表している。

 ただ、注意点はある。ワクチンには感染、発症、重症化の予防効果があるとされるが、接種した人から他人への感染をどの程度予防できるかは、はっきり分かっていない。

 現在各自治体に供給されている米製薬大手ファイザー製ワクチンは、特に発症予防の効果が高いだけに、接種後は感染しても無症状になりやすく、感染に気付かないまま周囲へ拡散させてしまう可能性がある。

 これから接種が本格化する国内では、全ての希望者にワクチンが行き渡るまで相当な時間を要する。周囲にはまだ接種できていない人が多いこと、さらには何らかの理由で接種できない人や副反応を心配して接種を避ける人がいることを頭に入れて行動したい。

 また、接種後どれくらいの期間にわたって免疫が保たれるのかは分かっていない。ウイルスが変異株の場合はワクチンの効果を弱める可能性もあり、接種を受けた本人も「絶対に大丈夫」とまでは言い切れない。

 当面はマスクの着用や手指の消毒、3密(密閉、密集、密接)回避といった基本的な感染対策の継続が欠かせない。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年05月09日 更新)

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