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岡山で救急搬送の困難事案が増加 コロナ禍 病床逼迫が要因か

救急患者の搬送状況が報告されたコロナ対策本部会議

 岡山市消防局は12日、救急患者の搬送先がすぐに決まらない「救急搬送困難事案」が3~9日の1週間で13件発生したことを明らかにした。5件が新型コロナウイルス患者の搬送。コロナ禍による病床逼迫(ひっぱく)が要因とみられ、感染「第3波」ピークの1月11~17日(14件)と同水準に増えている。

 消防庁の定義に基づき、受け入れできるかを医療機関に4回以上照会し、救急隊の現場滞在が30分を超えたケースを集計。コロナ禍前の2019年1月6~12日が2件だったのに対し、今年4月12~18日が6件、19~25日が7件、26日~5月2日が12件となった。

 昨年11月~今年4月の半年間に出動した救急隊の現場滞在時間は平均14・62分。1年前の同時期より約1分延びた。搬送が遅れれば重症化の危険が高まり、他の救急要請への対応にも支障が生じかねない。

 この日市役所で開かれたコロナ対策本部会議で報告した。藤原誠消防局長は「救急隊を段階的に増やすことも考える」と話した。現在活動している21隊に加え、予備車両や救急救命士の資格を持つ別部署の職員を投入することも検討するという。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年05月13日 更新)

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