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75歳未満も接種予約可能状態に 倉敷市釈明「年齢制限できず」

倉敷市役所

 施設入所者を除く高齢者を対象にした新型コロナウイルスワクチン接種に関し、10日から75歳以上の予約受け付けを先行してきた倉敷市で75歳未満もインターネット予約が可能だったことが19日、分かった。市は事実を認め、「市長からのお願いという形で協力を呼び掛けたが、システムの運用上、年齢制限を設けられなかった」と、不公平が生じたことを釈明した。

 市は4月29日、市へのワクチン供給が限られることから、独自に重症化リスクの高い75歳以上を先行接種すると発表。予約の受け付けは、75歳以上が10日から、65歳以上は20日からとした。

 しかし、岡山県内共通の予約システムを使っているため、倉敷市だけ年齢制限しようとすれば他の市町村や医療機関の予約にも影響が出る恐れがあることが分かり、市はシステム改修を断念。接種券を受け取った高齢者なら誰でもスマートフォンやパソコンで予約できる状態が続いたという。

 市保健課によると、19日午後3時現在、1人2回接種換算で約3万2400人分の予約をネットで受け付けた。内訳の詳細は不明だが、75歳未満も含まれるとみている。予約の取り消しはしない。

 75歳以上の先行予約を巡っては、市内の医療機関に対しても「お願いベース」(同課)だったため、医師の判断などで基礎疾患のあるかかりつけ患者を優先するなど年齢を問わない予約受け付けがあった。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年05月20日 更新)

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