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岡山県が抗体カクテル療法普及へ コロナ重症化や病床逼迫防ぐ

岡山県庁

 岡山県は20日、新型コロナウイルス患者の重症化を防ぐ効果がある抗体カクテル療法の普及に乗り出す方針を明らかにした。集中的に薬の投与を担う1カ所の医療機関と協力。患者はまず短期入院中に投与を受け、その後宿泊療養施設に移る仕組みを想定しており、病床の逼迫(ひっぱく)を抑える。今月中をめどに試行的に始めたいとしている。

 県によると、糖尿病や肥満、高齢といった重症化リスクの高い軽症・中等症の患者が対象。治療後に医師の管理下で一定期間、経過観察した後に早期退院することで病床を確保する。

 抗体カクテル療法は、2種類の中和抗体を組み合わせた点滴薬を投与し、ウイルスが細胞に侵入するのを防ぐ。発症から原則7日以内に施す必要がある。県内では国に登録した18カ所の医療機関が独自の判断で既に投与を始めており、効果があるとの連絡を受けているという。

 厚生労働省は今月、入院患者に加え、宿泊療養の患者にも投与できるようにしたが、県新型コロナ対策室は「県内の宿泊療養施設には医師を配置していないため、当面は入院患者のみを対象としたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年08月20日 更新)

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