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(5)育児で困ったとき 倉敷成人病センター小児科主任部長 御牧信義

御牧信義主任部長

 小児科は0歳児から15歳(中学卒業)といった幅広い年齢の「子どもたち」がやってくる科です。子どもは大人の小さいものという単純なものではなく、その子その子の心や身体の成長の過程に合わせての診察や相談が必要になります。病気の診察や治療は医師が中心に行いますが、子育ての相談や指導はパラメディカルの仕事となります。

 具体的には生後1カ月までのお子さんには助産師や看護師、生後1カ月以降のお子さんには看護師や保育士などの小児科スタッフが対応します。また資格を持った「医療保育専門士」が勤務しており、0歳から15歳(中学卒業)までの育児相談や家族支援を行っている病院もあります。

 一般的に乳幼児の育児相談で多いのは授乳・ミルクの相談(50%)、離乳食の相談(14%)、乳幼児の生活習慣、病気の症状(9%)、以下、夜泣き、予防接種の相談(5%)、躾(しつけ)、便秘、吐乳、アレルギーの相談(2%)―と続きます。大きくなると不登校や非行、いじめが原因の病気などの相談の割合が多くなります。

 以前はお祖父(じい)ちゃんやお祖母(ばあ)ちゃんに聞いたり相談していたことが、核家族化が進み家族だけで対応に困るという相談が増加しています。そのために病院も体制を整えていますし、お近くの保健所の保健師さんへの相談も可能です。保育園や幼稚園への通園が始まると園の先生への相談も可能となり、小学校以降になると担任の先生やスクールカウンセラー、場合によってはスクールソーシャルワーカーへの相談もできるようになるなど相談の窓口も広がっていきます。

 子どもが大きくなるにつれ問題も複雑になり、自分たちでは解決方法が見つからない時、行政(保健所、学校、子ども相談センター、児童相談所等)の利用も可能ですし、病気が原因の時には病院がお力になれる場合もあります。自分たちだけで悩まないで、そういった場所も利用して皆で子育てが行える社会をつくっていければ何よりですので、お気軽に相談いただければと思います。

◇ 倉敷成人病センター((電)086―422―2111)

 小児科外来スタッフ(常勤医師9名、看護師5名、医療保育専門士1名、心理士5名、小児科専属事務補助者1名)
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年08月18日 更新)

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