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いるだけで楽しく 笠岡第一病院にホスピタルアート 大阪のふくだ夫妻描く

ふくださん夫妻が笠岡第一病院で手掛けるホスピタルアートのイメージ図

ふくだとしおさん(左)と妻のあきこさん

 絵本作家のふくだとしおさん(35)と妻で画家のあきこさん(28)=大阪市在住=が9日から、笠岡第一病院(笠岡市横島)の小児科外来の壁などを使って動物たちの絵を描く。病院関係者らに注目されている「ホスピタルアート」と呼ばれる取り組みで、2人は「その場にいるだけで楽しくなる空間にしたい」と構想を膨らませている。

 としおさんは、皇太子ご夫妻の長女愛子さまのお気に入りの絵本として知られる「うしろにいるのだあれ」(新風舎刊)の作者。あきこさんと共同で創作活動をしており、温かみのある色使いで愛らしい動物を描く作風が特徴。ホスピタルアートを手掛けるのは、昨年三月の広島市民病院(広島市)に続き二作目。

 絵を描くのは、笠岡第一病院の東側に増築中の施設(五階建て、五月完成予定)二階の小児科外来。としおさんが構図やデザイン、あきこさんが色彩を担当。十二日にかけて、「つなぐ」をテーマにハリネズミやキリン、ウサギなどが乗った列車が走る様子を壁や柱、天井(計約二百五十平方メートル)の一部に描く。

 としおさんは「絵をきっかけに患者や医師らの間でコミュニケーションが生まれ、人と人のつながりを感じてもらえるような作品にしたい」と話している。

 笠岡第一病院は昨年から絵本の読み聞かせなど子育て支援のプロジェクトを展開。ふくださん夫妻がホスピタルアートを手掛けた経験などを見込んで制作を依頼した。


ズーム

 ホスピタルアート 医療現場を居心地の良い空間に変えることを目的に病院内に彫刻などを飾ったり絵を描く活動。医療従事者のストレスを和らげたり、患者の心を癒やす効果が期待されている。欧米で取り組みが進み、国立病院機構岡山医療センター(岡山市)に童画家が描いた作品があるほか、県立広島病院(広島市)などに画家や患者らが共同制作した作品がある。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年04月06日 更新)

タグ: 笠岡第一病院

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