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足の専門外来開設1年 笠岡市民病院 患者さん市内外から

足の専門外来を開設し、診察や治療にあたる笠岡市立市民病院の大澤医師

 笠岡市立市民病院(同市笠岡)が、外反母趾(ぼし)など足首から先の疾患を専門的に診察する「足の専門外来」を設置して1年余り。認知度も徐々に高まって市内外から患者が訪れるようになり、実質赤字が続く病院サイドも「経営健全化につながる機能」と期待している。

 整形外科部長の大澤誠也医師(42)が2008年11月に開設。親指が小指の方に曲がる外反母趾、小指が親指側に曲がる内反小趾(しょうし)、足裏に痛みが生じる足底腱膜炎(けんまくえん)、疲労骨折などの患者を診ている。

 大澤医師は「外反母趾は放っておくと進行する。痛みが激しくなると外出機会が減り、日常生活を損なう結果にもなる」と指摘。加えて「足の構造は複雑。4、5方向からレントゲン撮影して初めて見つかる骨折もあり、疾患が見過ごされやすい」と専門性の大切さを強調する。

 専門外来は徐々に知られ、09年6月より診察日は月2回から毎週月曜日に増えた。開設後1年間の患者数は計211人で、井笠地域をはじめ福山市などからも訪れている。

 内反小趾で痛みに悩んでいた笠岡市内の女性(63)は09年7月と10月、大澤医師の手術を受けた。女性は「当初は何科を受診すればよいのかも分からなかった。専門外来で診てもらえ、痛みもなくなり良かった」と話す。

 「治療できることを知らなかったり『外反母趾程度で』と診察をためらっている人もいるはず。今後も周知に努め、多くの患者を診ていきたい」と大澤医師。新谷憲治院長は「医師が得意分野で力を発揮することは病院の機能強化にもなる」と経営面での効果にも期待を寄せている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年01月08日 更新)

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