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第22回 財団法人淳風会健康管理センター がん検診 さまざまな機器駆使 早期発見

検診結果をチェックする萱嶋副センター長

マンモグラフィーを説明する平医師

安達倫文診療部長

 三大疾病の一つがん。早期発見には検診での判断が重要になる。

肺がん

 二〇〇六年の胸部エックス線検診のうち、事業所検診十二万五百六十人、住民検診一万七千四百二十六人、人間ドック一万八千九百八十二人。安達倫文診療部長は日本呼吸器学会の専門医。一日に検診結果を七百―八百枚チェックする。「早期の段階で発見することが大切。心臓と重なる部分や 肋骨 ( ろっこつ ) 、背骨の陰に隠れると見つけにくい場合がある」という。

 「喫煙者は肺がんのリスクが高く、CT(コンピューター断層撮影)を勧めたい。一センチ程度の大きさでも見つけることができる」。禁煙外来では、カウンセリングで「どういう状況で喫煙するのか」を浮かび上がらせる。ニコチンへの依存を断ち切るため体に張るシールを使う。

胃、大腸がん

 胃のエックス線検診(〇六年)のうち、事業所検診一万六千九百九十八人、住民検診六千百八十一人、人間ドック一万八千二百八十八人。このうち胃がんは二十二人で、十五人が早期だった。大腸検診(同)=便潜血反応検査は、事業所検診一万五千六百六十四人、住民検診千九百三十九人、人間ドック一万七千七百三十四人。大腸がんは八人で早期は一人だった。

 萱嶋英三副センター長は日本消化器内視鏡学会専門医。「胃の場合は異常のある部分は、白いバリュームがはじかれ、黒く抜けて見える」という。

乳がん、子宮がん

 乳がん検診は視触診、超音波検査、マンモグラフィーがある。〇六年は、事業所検診千百三人、住民検診四十八人、人間ドック三千八百七十八人。女性の受診者のうち20%程度で、三十歳から六十四歳までは25%程度。

 マンモグラフィー読影認定医の平和子医師は「国内で乳がんで年間一万人近くが亡くなっている。四十―五十代の 罹患 ( りかん ) がピークだが、五十代の受診率は13%にとどまっている」。受診者には家族に乳がんになった人がいたり、三十歳以上で未婚、初産年齢が三十歳以上―などのリスクや検査方法を説明したパンフレットを配り、啓発している。

 子宮がんは「二十、三十代の罹患率が増えているが、二十代の受診率は11%程度」。検診は超音波検査などを併用することで子宮筋腫や子宮内膜症を見つけることも多い、という。平医師は「検診で異常が指摘された後、放置するケースがある。女性は自身の体にもっと気を付けてあげてほしい」と訴える。

 センターには女性専用の「レディースフロア」が、健康診断フロアの奥にある。婦人科の診察室や各種検査をまとめて受ける機能がある。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年07月15日 更新)

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