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第23回 岡山県精神科医療センター 司法精神入院棟 中四国初の指定施設

 殺人、放火など重大な加害行為をした触法精神障害者の治療を目的に、二〇〇五年に施行された心神喪失者医療観察法。中四国では初となる指定専門施設として昨年十月から運用を始めた。

 不起訴や無罪になった心神喪失者、心神耗弱者らで地裁が入院を決定した人が対象。全国的に設置は進まず、三十三床の入院棟はほぼ満杯となっている。

 最大の特徴は、精神科では異例の手厚い体制。精神科救急の二倍以上の医師四人、看護師四十三人で、多様な治療プログラムを実践する。

 「対象患者を把握したスタッフが常にいるので深くかかわれる。回復に欠かせない自己肯定感を取り戻せる」と町和夫看護師長は言う。

 精神障害者への偏見をめぐり批判もある同法だが、来住由樹医療部長は「旧来の体制では困難と思われる人が回復し、退院できるなど手応えを感じている。ここでの治療成果を一般の精神科医療にフィードバックさせたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年07月22日 更新)

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