文字 

第41回 さとう記念病院 高齢者医療 自宅の環境でリハビリ 相談室設け入院手続き支援も

自宅の和室と同様の環境でも行われるリハビリ

 「地域のニーズに応じ、高齢者医療を中心に考えていきたい」と稲田洋院長が強調するように、エリアである勝英地域の高齢化を背景にした病気が目立つ。稲田院長は胸部心臓血管外科が専門で、腹部大動脈 瘤 ( りゅう ) 、各種バイパス術などに対応する。一方、一人暮らしの高齢者や高齢者世帯への支援、リハビリにも力を入れている。

 ◆回復期リハビリテーション病棟

 二〇〇二年に岡山県北初の回復期リハビリテーション病棟(四十五床)を開設。〇四年には県が進めるリハビリテーションの拠点「勝英地域リハビリテーション広域支援センター」の指定を受けた。「地域に合った切れ目のない医療と介護を提供する、という基本線上にあるリハビリは大切」と稲田院長。

 スタッフはリハビリテーション科の医師二人、看護師十五人、介護福祉士・看護補助者八人、理学療法士十二人、作業療法士九人、言語聴覚士四人。脳血管、運動器、呼吸器のリハビリに取り組んでいる。「症状によって異なるが平均して二―四カ月で退院。自宅でスムーズな生活ができるよう、家屋の改修をアドバイスするなど細かに対応している」と佐藤新介医師。

 病棟の作業療法室の一角には、畳敷きのスペースやキッチンがある。階段の上り下りをはじめ、床から立ち上がる訓練、掃除機の操作、料理作りなどに取り組む。家庭と同じサイズの風呂で入浴も試みる。濱田貴史リハビリ科長は「自宅と同様の環境でリハビリができるようにしている」と説明する。

 ◆医療相談室

 家庭で介護が難しかったり、他病院での急性期の治療を終えた後、地元での治療が必要なケースがある。このため、院内に「医療相談室」を設けている。メディカルソーシャルワーカー二人が相談を受け、入院や介護施設への手続きの支援や適した医療・福祉のメニューを紹介している。

 ◆在宅医療

 交通手段を持たなかったり、自宅での治療を希望する高齢者らの要望に応え、稲田院長ら二人の医師が毎週木曜、往診をしている。併設の訪問看護ステーションやヘルパーステーションと合わせ在宅医療を支援。管理栄養士による訪問栄養指導もある。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年02月02日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ