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第43回 高梁中央病院 血液透析センター 快適な治療環境目指す 利用者数は右肩上がり

患者のアメニティーにも配慮された血液透析センター

 ベッドの上方に、つり下げ式のテレビが一台ずつ。患者がドラマや映画などに思い思いに見入っている。血液透析センターは、患者のアメニティーに細かな配慮がなされたスペースだ。

 腎不全が進行した場合に受ける透析は、体内の血液を管を通じて透析器(人工腎臓)に送り込み、浄化する。患者は四時間ほどかかる透析を、週に三度受ける。

 「ずっと続ける治療なので、少しでも快適に過ごしていただきたい」と同センターの臨床工学技士・赤木純一主任。一番見晴らしがいい五階の部屋をセンターに充てたのも、こうした思いが込められている。

 センターの開設は二〇〇一年。二十床あり、うち一床は重症者や緊急透析のための個室。月水金と火木土の午前、午後コースが設けられ、現在は高梁エリアの約七十人が治療を受けている。

 スタッフは医師、臨床工学技士、看護師ら十七人。常時七、八人がベッドの間をめぐり、患者の体調に気を配る。血圧の変動などで急に具合が悪くなるケースもあるからだ。

 「なるべく話をし顔色などをチェックしている」と植田徳子看護主任。長時間ベッドで過ごす患者の気持ちを和ませる意味からも、会話は大切にしているという。

 センターを利用する患者の数は右肩上がり。昨年十二月の月間透析回数は九百三十九回で、四年前の倍以上に上る。糖尿病の合併症による腎不全が増えているのに加え、地元での治療を望み、県南の病院からかわってくる患者も多い。

 戸田俊介理事長は「患者の増加に対し、設備と人材を今後どう増強していくかが課題」と話す。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年02月23日 更新)

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