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第55回 岡山県健康づくり財団付属病院 肺がんの早期診断 CT、気管支鏡で確実に

肺がんの早期発見に有効なCT検査

小谷剛士副院長

 がんの中で最も死者が多い肺がん。岡山県でも2007年、がん死者中トップの1065人が亡くなった。この手ごわい病気に何より有効な「早期診断」に力を入れる。

 健診の胸部エックス線撮影で疑わしい影が見つかった人たちが、精密検査に訪れる。隣接する岡山県健康づくり財団の健診利用者が主だが、他の医療機関からの紹介も多い。

 まずはCT(コンピューター断層撮影)で詳細に肺を観察。「CT検査はエックス線の5倍ほど(がんが)よく見つかるとされています」と小谷剛士副院長。人間ドックではオプションに加えられており「費用はかかるが、早期発見には有効」と話す。

 さらにがんの疑いが強まれば、気管支鏡で組織を採取、診断を確定させる。何回も枝分かれする気管支に 鉗子 ( かんし ) を通し病巣部に到達させるには熟練を要するが、同規模の医療機関としては屈指の年間約170件を手掛ける。

 必要な検査を追加しがんの進行度を調べ、治療の方針を決定。化学療法のほか、手術を含む治療法を選択、岡山大病院に紹介するケースもある。

 このほか、CT検診車で地域に出掛けて肺がん検診を行うなど、新たな試みにもチャレンジ。「早期に発見し治療を始めれば、肺がんはかなりの確率で治ります」。小谷副院長は力説する。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年06月01日 更新)

タグ: 健康肺・気管

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