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遠隔医療「病状確認、健康管理に有効」 新見市、医師会09年度実験 患者、家族に安心感

 新見市は、新見医師会と協力して2009年度に実施した在宅患者らの遠隔医療実証実験「新見あんしんねっと事業」の結果報告書をまとめた。テレビ電話による診断など年間432回の実験をこなし、「床ずれなどの診察や定期的な病状確認、健康管理に有効」と評価している。

 市と医師会は国のモデル事業指定を受け、08年12月から実験をスタート。市内全戸に整備された光ファイバー網を活用し、病院や診療所、介護施設、患者宅などにテレビ電話を配置。連携して診断などに当たっている。

 09年度は44カ所以上にテレビ電話計69台を設置。訪問看護を利用した医師の診断275回▽一般医と専門医の治療法などの相談47回▽介護施設と医師・看護師の相談95回―など計432回の実験を行った。

 訪問看護を利用した医師の診断は、脳梗塞(こうそく)後遺症や難病で要介護度の高い在宅患者26〜17人を対象に月1、2回実施。

 床ずれなどの状態を医師が画像で確認しながら診察し、処置や薬処方を看護師に指示したほか、患者の介護のため通院できない高齢家族の健康管理も行った。

 報告書は「医師の定期往診までの間、状態を確認でき有用。患者や家族の安心感も大きい」としている。

 診療所の医師と病院の専門医の相談では、骨折などのレントゲン写真を専門医がテレビ電話で確認し、治療方針の決定に役立てた。介護施設との相談では、医師が施設入所するリハビリ患者らの診察などを行った。

 モデル事業は同年度で終了し、患者のインターネット接続料など国の事業費補助が打ち切られる。本年度は市と医師会が約750万円を負担し、実施回数を減らすなどして実験を続ける。

 市市民課は「医師不足の中で在宅患者のきめ細かいケアに一定の成果があった。実験を継続し、通信機材の改善など課題に対応したい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年08月13日 更新)

タグ: 介護医療・話題

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