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高齢者の転倒防止 トレーニング用具開発 ダイヤ工業

ダイヤ工業などが開発したトレーニング用具

 医療用品製造販売のダイヤ工業(岡山市大福)は、高齢者の転倒予防などに役立てようと、バランス体操などに使うトレーニング用具を川崎医療福祉大(倉敷市松島)の長尾光城教授と共同で開発、販売を始めた。介護保険法改正で四月から要介護度の進行を防ぐ介護予防サービスが保険対象となるのをにらみ、福祉施設などに売り込む。

 用具は円盤状で直径三十三センチ、厚さ六センチ。表面を化学樹脂でコーティングして縫い目をなくし、破れにくくした。内部は弾力性のある合成ゴム(一枚厚さ二センチ)を三枚重ねている。重さは四百二十グラム。

 上に乗って片足上げやストレッチなどをしてバランス感覚や歩行能力を養う仕組み。合成ゴムを採用することで、ひざなどにかかる負担を緩和したという。

 昨年四月から開発を進めていた。長尾教授が技術的なアドバイスや臨床データを提供。同社が製造を担当した。商品名は「レクトレステップ」で、レクリエーションとトレーニング、ステップの三語を組み合わせた。赤と青の二枚入りで、価格は三万六千七百五十円。使用法などを説明したDVDを付けている。床に敷くトレーニングマット(一万五千七百五十円)は別売。初年度の売り上げ目標は一億円。

 松尾正男社長は「臨床データをとり、お年寄りの筋力や平衡感覚が向上することが分かった。転倒による骨折防止やリハビリに活用してほしい」と話している。

ズーム

 介護予防サービス 厚生労働省が行う介護保険法制度改革の目玉の1つ。要支援と要介護1の軽度者を対象に、転倒予防や筋力トレーニング、低栄養予防などのサービスが行われる。軽度者に骨関節疾患などで徐々に生活機能が低下する人が多いとされ、介護度の重度化を防ぐ。増え続ける介護給付費を抑える狙いもある。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年01月13日 更新)

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