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がん対策推進条例案まとめる 緩和ケアの充実が柱 岡山議会委が議員提案へ

読谷山副市長(右)に要望書を手渡す土井区長

 岡山市議会の保健福祉委員会は14日、緩和ケアの充実などを柱とした議員提案による「市がん対策推進条例(仮称)」案をまとめた。市議会ホームページ(HP)で公表して市民意見を募った上で来年2月定例会に提案し、同4月の施行を目指す。

 同日の市議会議会運営委員会に示された条例案は、市の役割として、緩和ケアの充実に向けて専門知識や技能を持つ医療従事者を育成するほか、検診受診率の向上▽相談体制の充実▽在宅療養の推進―などを明記。市は施策の計画的な実施のための財政措置に努めることとした。

 保健医療関係者は良質で適切な医療を提供し、市民は主体的に検診を受けるといった努力義務も列挙。患者や家族の団体代表、学識経験者、行政関係者などをメンバーとし、市施策の調査・審議に当たる「市がん対策推進委員会」の設置も盛り込んだ。

 同保健福祉委員会は2007年4月施行のがん対策基本法などを踏まえ、今年8月から条例づくりに着手。大学教授や医療ソーシャルワーカー、患者会代表らの意見聴取も行い案をまとめた。意見募集の時期や、HP以外での募集方法はこれから検討する。下市香乃美委員長は「条例制定で市のがん対策を促すとともに、市民の啓発にもつなげたい」と話している。

 市によると、市内で08年にがんで亡くなったのは1661人と死者全体の約3割を占めるが、がん検診の受診率(09年度)は肺、大腸、胃、乳、子宮の各がんで32・8%017・6%にとどまる。

 同市議会の議員提案による政策的内容の条例としては今年3月、生物多様性の保全を推進する条例が41年ぶりに制定されている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年12月15日 更新)

タグ: がん医療・話題

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