文字 

子宮頸がんワクチン 中高生対象に接種 岡山県内全市町村で無料化

子宮頸がん予防ワクチン無料化の対象

 中学生と一部高校生の接種する子宮頸(けい)がん予防ワクチンを無料化する動きが、岡山県内自治体で広がっている。国補助を活用し、これまでに25市町村が開始。残る美作市と吉備中央町も24日からの予定で、全市町村で接種無料となる。

 子宮頸がんは性交渉によるヒトパピローマウイルスの感染が主原因とされ、10代前半のワクチン接種で予防が期待できる。ワクチンは2009年秋に国内承認されたが、全3回で計5万円程度と高額。国は昨年11月成立の補正予算に子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例交付金(1085億円余)を組み、中学1年(13歳相当)~高校1年(16歳相当)の4学年を対象に接種費用の半額を補助することとした。

 県内市町村は、昨年4月の奈義町を皮切りに計8町村が自主財源で無料化していたが、補正成立後、同12月に倉敷、総社市、今月1~4日には岡山、津山、玉野市など15市町が加わった。3回の接種は間隔をあけて半年間に受ける。現在の高校1年は本年度中に1回でも接種しなければ11年度の2回目以降が国の補助対象とならないことも、導入を急いだ背景にある。

 無料化の対象は21市町村(美作市、吉備中央町含む)が中学1年~高校1年。現在は中学1~3年の美咲、久米南町は24日から、中学2、3年の和気町と中学2年~高校1年の赤磐市も4月から、対象を中学1年0高校1年に広げる予定。新庄村は「医療費抑制につながる」などとして上限を高校3年、奈義町は高校2年まで拡大した。

 臨時特例交付金は11年度末までの接種者が対象で、厚生労働省は12年度以降について「風疹などと同様の交付税措置のある定期接種化を含め検討中」(結核感染症課)と説明。これに対し市町村からは、算定方法などが分かりにくい交付税より「交付金による補助を続けてほしい」(笠岡市)との声も上がっている。

 一方、今回の臨時特例交付金は0~4歳児の「インフルエンザ菌b型(ヒブ)」と「小児用肺炎球菌」のワクチン接種も半額補助の対象。ヒブは24市町村、小児用肺炎球菌は22市町村が無料化しており、残る市町も4月予定の和気町を除いて24日から無料化する方針。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年01月18日 更新)

タグ: がん健康女性子供医療・話題お産

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ