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10年岡山県内自殺者 うつ病原因22%増 4年連続トップ 長引く不況背景か

 岡山県内の2010年の自殺者は451人(暫定値)で、原因は「うつ病」が前年より22・2%増えて90人と4年連続でトップだったことが9日、県警のまとめで分かった。自殺者数はリーマンショック(08年秋)で大幅に増えた09年(450人)から1人増と高止まり。病気のほか、生活や失業などを苦にしたケースも多く、依然として長引く不況の影がちらついている。

 遺書や家族の話などから推定される主な原因・動機(重複ケースあり)は、うつ病を含む「健康問題」が192人と最多。「経済・生活問題」92人、「家庭問題」74人、「勤務問題」34人―などの順。経済・生活問題の中では、生活苦(19人)と失業(18人)が目立ち、厳しい経済情勢を反映している。

 男女別では男性322人、女性129人。年齢では60代90人、50代84人、30代73人、40代65人、20代52人―と続いた。職業は無職(学生12人含む)が295人に上り、会社員など被雇用者は115人、自営業25人など。

 うつ病による自殺の増加について、県健康推進課は「不況を背景に、経済的に困窮したり精神的に追い込まれる人も多く、悩みやストレスが重なって発症するのでは」と分析。昨年9月、県精神保健福祉センター(岡山市中区古京町)内に「県自殺予防情報センター」を開設して電話相談を行ったり、市町村や教育現場と情報交換するなど対策を進めている。

 全国の自殺者は1998年以降、毎年3万人を超えている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年02月10日 更新)

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