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医療型短期入所施設  岡山県北に設置切望 障害者介護の家族アンケート 病気の際の対処に苦慮

 介護者が病気になった際、「点滴を打って対処した」「小学生の兄弟に学校を休んで世話してもらった」―。重度の障害者・児を自宅で介護している県北の家族を対象に行ったアンケートで、こうした深刻な実態が浮かび上がった。人工呼吸器や吸引などのケアが必要な障害者がショートステイできる医療型短期入所施設が県北にないことが背景にあり、家族らは設置を切望している。

 アンケートは障害者家族らが結成した「県北の医療型短期入所の施設整備を進める会」が、昨年11~12月に実施。通所施設などを通じて用紙を配り、98人から回答を得た。

 介護者が病気になった際の対処を尋ねた設問(複数回答)では「家族に頼む」が35人(35・7%)で最も多く、「施設利用」も約20人いたが、「誰にも頼めない」「病気になっても自分で介護する」「5年間休んでない」といった切実な声も自由回答であった。

 回答者のうち、医療型短期入所施設の利用対象となる障害者を介護する人は約50人おり、県北に施設ができた場合「定期的に利用したい」「緊急時には利用したい」がほぼ半数ずつだった。

 障害者自立支援法に基づく短期入所施設は、県内で福祉型と医療型を合わせて65事業所が運営。このうち医療型は5事業所しかなく、岡山、倉敷市と早島町に集中している。

 県北からは遠い上、家族からは「いきなり宿泊させるのは難しい」「数時間や半日の通所を繰り返して施設職員に個性や注意点を知っておいてもらいたい」との声が上がっている。

 同会は今後、県や市町村、医療機関にアンケート結果を添えて、施設設置を要望していく方針。代表の村上三子さん(50)=美咲町打穴西=は「在宅介護は常に不安や心配がつきまとい、気を抜ける時間がない。いざというときの安心につなげるためにも、既存の病院内に1床か2床でも確保してほしい」と訴えている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年02月12日 更新)

タグ: 介護医療・話題

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