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鼻挿入の胃カメラ 南岡山医療センター導入 身体的負担軽く

新たに導入した経鼻内視鏡のファイバースコープ(左)。経口内視鏡に比べ細いのが特徴

 国立病院機構南岡山医療センター(早島町早島)は、鼻から挿入する「経鼻内視鏡」を消化管内視鏡検査(胃カメラ)に導入した。ファイバースコープが従来の約半分の細さで、身体的負担が軽いのが特徴。同センターによると、経鼻内視鏡を取り入れた病院は県内では珍しいという。

 経鼻内視鏡は鼻腔(くう)を局所麻酔した後、ファイバースコープを鼻から挿入し、胃内部を撮影する仕組み。直径は四・九ミリで、口から挿入する経口内視鏡(直径約九ミリ)と比べて細い。

 今年一月から一日二人のペースで本格導入し、一カ月間の利用者二十八人に対するアンケートでは、ほぼ全員が口から入れるより苦しくないと回答したという。

 一般的に普及している経口内視鏡は、ファイバースコープが舌根部に当たって嘔吐(おうと)する人が多い。鎮静剤を使用しても、副作用で呼吸が止まって気道確保が必要になったり、数時間の安静を要するなどデメリットがあった。

 同センターの平野淳消化器科長は「極端に鼻腔が狭かったり、ポリープを切除する場合などは経口内視鏡を使うことになるが、通常の検査では経鼻内視鏡で十分。徐々に体制を整え、一日に実施できる人数を増やしていきたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年02月09日 更新)

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