文字 

認知症予防へ生活習慣改善しよう

抗酸化栄養素のビタミンEが豊富な「カラメルくるみ大豆」(手前)。奥はビタミンCを含む、ゆず茶

(左から)佐々木佐起子医師、国橋由美子管理栄養士

 生活習慣を改善して認知症予防につなげる狙いで、岡山県南部健康づくりセンター(岡山市北区平田)が3月上旬、同センターで健康実践教室を開いた。席上、同センター健康推進課の医師佐々木佐起子さん=日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会専門医=と管理栄養士国橋由美子さんが語った留意点を紹介する。

  □   □

 病的なひどい物忘れに加え、物事を考えたり判断することが苦手になり、日常生活に支障が出る―。2005年169万人だった日本の認知症患者は15年には250万人に達すると推定され、加齢とともに患者の割合は増加、75歳以上では5人に1人が発病するといわれる。

 佐々木医師はまず、認知症の原因はさまざまだが、アルツハイマー型認知症、血管性認知症が全体の約80%を占めていることを紹介。「加齢」が認知症発症の最大の危険因子で、「家族歴」も発症率に関与するものの「糖尿病など生活習慣病が認知症の危険因子になっている」と指摘、生活習慣改善を呼び掛けた。

 予防のポイントは、
(1)魚・野菜・果物を多めにした食事
(2)1日30分以上の定期的な運動
(3)禁煙と節酒
(4)家族や知人との交流、読書や語学の趣味で頭をよく使うこと
(5)できるだけ笑うように心掛ける―など。

 佐々木医師は「定期的な運動は、健康な成人のみならず、軽度認知障害や認知症を発症した患者さんにも認知能力の改善をもたらすとの研究報告もある」と話した。

 管理栄養士の国橋さんは認知症に関与している高血圧症、脂質異常症、糖尿病を予防するため「血管の若さを保とう」と述べた。食塩をとり過ぎない(成人男性1日9グラム以下、成人女性1日7・5グラム以下)▽動物性脂肪(肉やバター)の過剰摂取を避ける▽大豆製品、魚介類を適度にとる▽抗酸化栄養素(ビタミンA、C、Eなど)をとる―などを留意すべき点とした。

 また、ビタミンEが豊富なくるみを使ったおやつ=写真、レシピ参照=も紹介した。ビタミンEはビタミンCと一緒にとることで、より効果が期待できる。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2012年03月19日 更新)

タグ: 糖尿病

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ