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岡山市民病院、3年で看護師60人増 総合医療センター開院に向け

市民病院を引き継ぐ岡山総合医療センター(仮称)の完成イメージ図

 岡山市病院局は24日、北区北長瀬表町の岡山操車場跡地に2015年度開院予定の岡山総合医療センター(仮称)整備に向け、センターに引き継がれる市立市民病院(同天瀬)の看護師を増員する方針を固めた。本年度試験(13年度採用)から3年間で看護師を計約60人増やして350人体制を目指す。

 市民病院は405床。看護師は291人で、入院患者7人に看護師1人の割合で配置する「7対1」に今年1月から移行し、従来の「10対1」から増やした。センターも病床は400床とほぼ同数で、看護師は「7対1」を維持する。

 一方、市民病院は老朽化し病室が狭いことなどから病床利用率は74%(11年度)なのに対し、センターは開院10年目の経営黒字化を目指す市の財政シミュレーションで82%と設定。市病院局は、JR北長瀬駅に隣接するなど立地に恵まれているため利用率アップは可能とみて、必要な看護師の増員数を算出した。

 市民病院は退職者が年間20人程度いるため、15年度採用までに毎年度約40人ずつ採用する計画。これまでの年間25人前後の採用から大幅増となる。

 ただ、病院間では06年の診療報酬改定で看護師を「7対1」にすると報酬が増えるようになったことから看護師の獲得競争が激化。県の需給見通しによると、県内の看護職員は13年で需要数2万6302人に対し551人が不足する。

 市病院局は12年度採用で約30人を募集したが、計4回の試験にもかかわらず採用は22人にとどまった。今月中旬から市民病院幹部が看護師養成の県内12校を回るなどPR活動を強化しており、同局は「病院経営はマンパワーが重要。看護師の子育て支援策や多様な勤務形態を整え、必要数を何とか確保したい」としている。

 13年度採用の約40人(助産師含む)は1953年4月2日以降生まれが対象。5月7〜18日に申し込みを受け付け、同27日に小論文と面接試験を行う。問い合わせは市民病院総務課(086―225―3171)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2012年04月25日 更新)

タグ: 医療・話題

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