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患者宅訪れ服薬指導 県薬剤師会が養成事業

在宅療養患者(左)に薬を手渡す薬剤師の二階堂さん

 県薬剤師会(加藤圭一郎会長)は本年度から、患者の自宅を訪問して服薬指導や管理を担う薬剤師の養成事業を開始した。在宅医療の重要性の高まりを背景に、地域にある薬局の薬剤師も医師らと連携しながら在宅医療・福祉に参画することが必要となってきた。同会では訪問が可能な薬局を現在の2倍にするのを目標に、研修会などを重ねている。

 通院が困難な患者に対する薬剤師の在宅訪問は、医療保険と介護保険では原則それぞれ月4回まで可能。しかし、医師との連携不足や、患者に対する薬剤管理の指導方法のノウハウがないことなどから、実施しているのは県内の保険薬局約900店のうち約150店にとどまっていた。

 この問題を解消しようと県薬剤師会では、7月から月1回程度研修会を開催。既に近くの診療所の医師と手を組んで訪問を重ねている経験豊富な薬剤師を講師に、薬を入れるトレーを朝、昼、夜で区切ったり、一度に飲む薬を一つの袋にまとめたりと、患者の飲み忘れ防止の方法などを指導した。

 2年前から訪問活動を行っているサンヨー薬局原尾島店(同市中区原尾島)の二階堂崇さん(41)は「足が不自由で出掛けられない高齢者は多い。看護師やケアマネジャーらとの連携方法なども学べたら」と話していた。

 同会では今後、県内の薬局にアンケートを行い、在宅訪問の実施状況や課題を探る。同会は在宅訪問ができる薬局を300店に増やすことを目標にしており、堀部徹副会長は「研修会を通し、薬剤師の訪問が活発になるようにしたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2012年08月27日 更新)

タグ: 高齢者医療・話題

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