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看護職「辞めたい」71% 県医労連調査、コロナで人手不足

 人手不足による多忙などで7割超の看護職が仕事を辞めたいと思うことがある―。岡山県医療労働組合連合会(岡山市北区下伊福西町)が県内の病院や診療所で働く看護職員を対象に行った調査で、こんな実態が浮き彫りになった。連合会は「新型コロナウイルスへの対応で業務が増え、多忙を理由に離職者が増加する悪循環に陥っている」としている。

 調査は昨年10~12月に実施し、888人が答えた。「仕事を辞めたいか」との問いに「いつも思う」「ときどき思う」が計71・6%に上った。主な理由(複数回答)は「人手不足で仕事がきつい」50・3%、「賃金が安い」46・5%、「思うように休暇が取れない」25・6%―と続いた。

 過去3年のミス・ニアミスについて83・1%が「ある」と回答した。「十分な看護が提供できているか」との問いには「ほとんどできていないと思う」「あまりできていないと思う」が計26・0%。いずれも大半が人手不足による多忙を理由に挙げており、過密業務が患者へも影響しかねない状況がうかがえた。

 感染力が強い新型コロナのオミクロン株がまだ主流でなかった1年前と比べた仕事量は「大幅に増えた」「若干増えた」が計6割。残業をしている人は8割を超え、うち半数はサービス残業を行っていた。

 同連合会の岡小百合看護対策委員長は「感染症法上の位置付けが5類に移行した今も医療機関では厳重な対策が必要であり、忙しさは変わらない。看護の質を保つためにも労働環境の改善が急務だ」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2023年06月15日 更新)

タグ: 医療・話題

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